Appleは3月5日、iPad第11世代となる「iPad(A16)」を発表しました。
順当な進化でありながら、価格はストレージを上げて据え置きという実質、値下げになった感じです。USB-CやApplePancil Proにも対応し、Smart Keyboard Foiloもあります。
そこで疑問が湧きます。Tim Cook CEOもゴリ押しのApple Intelligenceに対応していないのです。iPad miniでさえ対応したのに、なぜこのiPad(A16)は対応しないのでしょうか。
それには無印iPadが売れてきた分野を研究する必要があります。主に無印iPadは教育や社員に向けて一斉に配られるもので、今までそうだったようにサイズも一切変えていないし、進化もSoCやApplePencilくらいのものにしてきました。そうすることにより使っていた周辺機器が使えたり、使い勝手を間違えなくて済むのです。それに加え、教育にAIはこれから入っていく段階で、Appleは時期尚早と考えたようです。
また、Apple Intelligenceは端末内の情報を参照して、高度なAI技術を提供することからプライバシーを重視するAppleが生徒や先生の端末がそのような使い方をされないように避けたという考え方もあります。保護者からiPadの個人情報の取り扱いについて懸念が出ないようにAppleも配慮することにより安心してiPadを使って欲しいという意向があったと思われます。
その上で、USB-Cポートや指紋認証、ApplePencil Pro(またはUSB-C)などは順当な進化を遂げており、とても評価できるiPadになっていると思います。同じ256GBのストレージで比べると1万円近く値下げになっており、これも評価できます。教育現場ではiPadを使いたいけど、予算が限られているという特性において、値下げしながらSoCの性能が上がり、最新のApple PencilやKeyboardに対応したのは大きいと思います。
Appleにとっても値下げはしたけれど、大量に発注してくれればそれは助かるというものです。ぼく自身は具に教育現場を見てきたわけではないのですが、分厚い教科書がiPadひとつで済むようになったり、教育関係者もデジタルとアナログを両立させていきたいという意向を新聞で読んだりしたことから、まさに安くてiPadOSの動く端末というのは必要とされていると思うんです。そこで何度も言うようですが、価格を据え置きまたは値下げして性能だけは上げるという進化をみんなが褒めるのだと思います。
それにApple Intelligenceはまだ開発が始まったばかりで未知のものです。そう言うものを教育に実装しなかったのも良い判断だったのではないでしょうか?
同日、発売されたM3 iPad Airがあまり変化がないことから「スルーしてもいいかも」と思わせる一方で、教育関係では次々に新入生が入ってきてiPad欲しいけど高いというジレンマがあったと思います。それを解決してくれたAppleには個人的にとても感謝しています。
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